人工臓器
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Hybrid型人工膵の膵全摘犬への応用
―装着部位に関して―
中野 博重瀬川 雅数仲川 恵三中島 祥介白鳥 常男
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1982 年 11 巻 6 号 p. 996-999

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抄録
Hamster膵ラ氏島を封入したHybrid型人工膵(半人工膵)を, 膵全摘犬の大腿動・静脈間(大循環系), および大腿動脈・門脈間(門脈系)に装着し, 膵内分泌機能におよぼす影響について比較検討した。半人工膵を膵全摘犬の大循環系に装着した場合, 血糖コントロールに必要な膵ラ氏島数は10000個であった。門脈系に装着した場合, 10000個の膵ラ氏島数では血糖をコントロールすることはできなかったが, 膵ラ氏島数を14000個に増量すると良好な血糖コントロールを得ることが可能であった。
10000個の膵ラ氏島を封入した半人工膵を大循環系に装着した場合と, 14000個封入半人工膵を門脈系に装着した場合を比較すると, 血糖値に関しては, 装着前の高血糖から, 装着後正常血糖に達するまで, 有意の差を認めなかった。一方, 血清IRI値に関しては, 半人工膵を門脈系に装着した場合よりも, 大循環系に装着した場合の方が高い傾向を示した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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