抄録
肝不全、高ビリルビン血症に対する血漿交換(PE)、活性炭によるDHP、Plasmaperfusion (PP)施行前後の血漿アミノ酸や生化学検査値を比較検討した。アミノ酸パターンはPEにおいて、高値のものに減少傾向を認め、DHP、PPではPHE、TYR、METなどに軽度の減少傾向がみられた。しかし、臨床的にはアミノ酸パターンの改善には不十分であり、特殊アミノ酸輸液の併用による相乗効果に期待が持たれる。ビリルビンはPPで36.9%の減少であつた。活性炭ではBatch法4時間で33%吸着されるものもあつたが、DHP、PPで使用しても10~20%の減少で、臨床的には不十分であつた。PPで使用可能な吸着剤をBatch法で検討したが、TBAは活性炭IRA-958、XAD-2、XAD-4、XAD-8、Hemorcsinで良く吸着されており、生化学検査上は特に問題となる変化はなく、これら吸着剤の臨床使用のために、肝不全物質の吸着についてHPLCなどで検討する必要があると思われる。