人工臓器
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人工肝補助装置(PE, DHP, PP)の比較検討
施行前後および各種吸着剤での血液化学、血漿アミノ酸の変動について
岡 藤太郎谷 徹松田 孝一橋本 宇史小杉 厚中根 佳宏小玉 正智
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1983 年 12 巻 2 号 p. 534-537

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抄録
肝不全、高ビリルビン血症に対する血漿交換(PE)、活性炭によるDHP、Plasmaperfusion (PP)施行前後の血漿アミノ酸や生化学検査値を比較検討した。アミノ酸パターンはPEにおいて、高値のものに減少傾向を認め、DHP、PPではPHE、TYR、METなどに軽度の減少傾向がみられた。しかし、臨床的にはアミノ酸パターンの改善には不十分であり、特殊アミノ酸輸液の併用による相乗効果に期待が持たれる。ビリルビンはPPで36.9%の減少であつた。活性炭ではBatch法4時間で33%吸着されるものもあつたが、DHP、PPで使用しても10~20%の減少で、臨床的には不十分であつた。PPで使用可能な吸着剤をBatch法で検討したが、TBAは活性炭IRA-958、XAD-2、XAD-4、XAD-8、Hemorcsinで良く吸着されており、生化学検査上は特に問題となる変化はなく、これら吸着剤の臨床使用のために、肝不全物質の吸着についてHPLCなどで検討する必要があると思われる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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