人工臓器
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人工弁置換術後の抗血小板療法と血小板機能について
小長井 直樹日野 宏工藤 龍彦
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1988 年 17 巻 3 号 p. 1083-1086

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抄録
人工弁置術後に発生する血栓塞栓症を予防するために, ワーファリンによる抗凝固療法に, 抗血小板剤の併用が重視されている。そこで, 人工弁置換症例を術後2ヵ月以内の比較的早期の症例と術後6カ月以上経過した遠隔期の症例とに分け, Ticlopidineと低用量アスピリンの2種類の抗血小板剤を投与し, 血小板凝集能に対する影響を検討してみた。術後早期および遠隔期ともに低用量アスピリンによって, コラーゲン凝集能とアラキドン酸凝集能が著明に抑制され, 遠隔期においてはADP凝集能もTiclopidine投与と同程度に十分に抑制された。これらにより, 従来よりも低用量のアスピリンによって血小板凝集能が十分に抑制されることがわかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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