人工臓器
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遠心ポンプの臨床
―術後左心バイパスおよび経皮的心肺補助への応用―
小山 富生曽根 孝仁伊藤 健高須 昭彦村瀬 允也佐々 寛己水口 一衛前田 正信坪井 英之村上 文彦寺西 克仁
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1992 年 21 巻 1 号 p. 136-141

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抄録
当施設において遠心ポンプを用いて術後左心バイパス、経皮的心肺補助(PCPS)を行った28例の臨床成績と遠心ポンプにかかわる問題を検討した。左心バイパス3例では1例離脱し得たが、救命例はなかった。Emergency PCPSにおいては17例中8例(47%)が離脱し7例(41%)の長期生存が得られた。また10例が蘇生手段として用いた症例であり、この内4例(40%)は開始10分から17時間経過した時点までに意識の完全回復がみられ、3例(30%)が生存した。意識の完全回復が得られた症例の蘇生時間は15-43分(平均30分)であった。Elective PCPSは8例中6例にて良好な結果が得られ、症状の著名な改善をみた。遠心ポンプはその構造上の特徴からローラーポンプの様に特別な圧力制御を行なう必要がなく、緊急時の安全性とセッティングの容易さ及び装置を小型化できる点からPCPS法のポンプとしての使用は有効であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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