抄録
シリコーンに種々のイオンビームを照射し、血小板の集積量の測定および抗血栓性の評価を行った。抗血栓性評価はIn-111-tropolone-血小板による評価に加え、雑種成犬下大静脈留置法により行った。またイオンビーム照射シリコーンの物理化学的性質とこれらの抗血栓性についての比較を行った。イオンビーム照射したシリコーンをラットに留置した結果、試料表面、SVC、心臓、腎臓、肝臓、脾臓への血小板の集積は減少する傾向を示した。照射試料の中では血小板の集積比の減少が大きい試料はO2+(1×1017), K+(1×1017), Kr+(1×1017ions/cm2)照射試料であった。雑種成犬下大静脈留置法による抗血栓性評価で本実験で用いたイオン種ではNe+, Ar+, Kr+等の希ガスイオンビーム照射試料は極めて良好な成績を得た。またこれらイオンビーム照射したシリコーンの抗血栓性の向上は留置初期における血小板の集積の抑制効果によるものと考えられる。