抄録
胸部下行大動脈瘤手術の循環補助手段として遠心ポンプ(Bio-pump: BioMedicus社製)に自己血回収輸血システムを併用した左心バイパス法(BIO法)を14例に施行し血行動態的, 臨床的検討を行った。左心バイパス回路は塩化ビニールチューブを用い, 軽度全身ヘパリン化による自己血回収輸血法の3方式を粗み合わせることで血液回収率の増加と輸血量の削減が可能となり, 無輸血症例は3症例となりその有効性を認めた。自己血回収返血の迅速化によりバイパスポンプ流量の安定化が得られた。そのため適正な中枢側血圧の維持や末梢側血圧の調節が可能となり左心機能, 腎機能保持の観点からも優位性が認められた。以上の成績から, Bio-pumpに3方式の自己血回収輸血法を併用した左心バイパス法は胸部下行大動脈瘤手術の補助手段として主要臓器機能保持, 輸血削滅に有効であり, 現在最も安全で有用性の高い方法と考えられた。