人工臓器
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開心術後重症心不全に対する遠心ポンプ補助循環の問題点
大島 永久山田 崇之中原 秀樹田辺 貞雄入江 嘉仁佐野 英基片山 康木山 宏村井 則之横田 洋向山 美果也
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1992 年 21 巻 2 号 p. 429-434

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抄録
開心術後の重症心不全8例に遠心ポンプ(Bio-Pump)による補助循環を行なった。離脱3例と脳死のため補助を断念した1例の4(A群)と離脱不可能の4例(B群)を血行動態, 主要臓器障害について比較した。補助時間はA群115.5時間, B群45.5時間とA群が長かった。補助流量はA群3.4L/min, B群3.8L/minで差はなかったが, B群の平均動脈圧(m-Aop)は1例を除き60mmHg以下で推移し, 全身血管抵抗(SVRI)も低値であった。B群では混合静脈血酸素飽和度(SvO2)は低値で推移し, 原因として心拍出量の低下のほかに全身酸素摂取量(VO2I)の異常高値が考えられた。腎機能では尿量が維持できたのはA群の3例のみで, 呼吸機能(Respiratory index)もA群では3例が2以下に改善した。動脈血乳酸値, 中枢-末梢温度較差は補助循環の良い指漂であった。B群は代謝の亢進したhyperdynamic shock類似の血行動態にあり, この時期に至る前の補助循環が末梢循環代謝, 重要臓器機能の改善に必要である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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