抄録
埋め込み型人工心臓の駆動エネルギーの供給方法としては、体外から経皮的に電磁エネルギーの形で伝送するのが最も有力である。エネルギーの伝送は、皮膚を介して置かれた2つのコイル間の電磁誘導作用を利用している。しかし、体動等によるコイルの位置ずれなどがエネルギーの伝送量や効率に影響を与える。体外結合型経皮コイルシステムは、体内コイルの一部が皮膚で覆われた状態でアーチ状に体外に突き出し、その半円形空孔の部分に体外コイルを密着させて巻きつけたコアを挿入し結合させる方式である。この方式は体動に対して安定でかつ大きな結合が得られるのが特長である。In vitroでの測定の結果、エネルギー伝送効率は5~50Ωの負荷変化に対して平均79% (DC to DC)を得た。また、体動等に対して無調整で使用することが可能であり、位置ズレに対する効率の低下は1%以下である。従来の空芯笠型コイルなどに較べてコイルの位置ずれに強く、アライメントをせずに使用することができることが確認できた。