人工臓器
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腹水患者の濃縮腹水再注入におけるエンドトキシン除去の試み
近藤 威史若槻 真吾齋藤 史郎
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1992 年 21 巻 3 号 p. 1076-1079

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抄録
腹水濾過濃縮再注入法は難治性腹水に効果的であるが、再注入後にしばしば発熱が見られ、再注入さ液たエンドトキシン(Et)が発熱を起こす可能性がある。発熱を抑制するため、より効果的な処理法を考案した。基礎的検討としてEt濃度30pg/mlの2%アルブミン溶液3Lを以下の方法で処理した。(1)単純法:AHF-UNまたはCella-filterで濃縮、(2)吸着法:活性炭力ラムN-50で吸着した後単純法で濃縮。(3)EVAL-1A法:タンパクも透過するEvaflux-1Aで濃縮。対象は難治性腹水を合併した肝硬変4例、悪性腹膜中皮腫1例である。AHF-MAまたはPVAで濾過した2.5-4Lの除細胞腹水を、15回((1)6回、(2)3回、(3)6回)処理した。処理腹水注入後24時間以内の体温上昇度を測定した。Etの定量はEndospecyで行った。アルブミン溶液でのEt除去率は(1)45.6%、(2)55.0%、(3)64.6%で、(2)および(3)は有意に(Dより効果的であった。除細胞腹水でも(1)46.5%、(2)63.6%、(3)65.1%と、アルブミン溶液と同様の結果を得た。体温上昇度は体重当たりのEt注入量と有意に相関したが、Et除去率は濃縮度と相関しなかった。タンパク回収率は3方法で有意差は無かった。臨床的に施行可能なEVAL-1A法は再注入腹水中のEtの除去に優れ、発熱抑制に有用である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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