抄録
グラム陰性桿菌由来のlipopolysaccharide(LPS)は、毒性とともに強力な抗腫瘍作用を有している。この毒性を発揮させることなく抗腫瘍作用を利用する目的で、LPS固定化ビーズを開発した。担癌C3H/HeNマウスに対する抗腫瘍効果を、E. coli LPS固定化ビーズで刺激された活性化脾細胞とlymphokine-activated killer(LAK)細胞で比較すると、活性化脾細胞はLAK細胞に比べて有意に腫瘍増殖を抑制し、生存日数を延長した。転移性肺腫瘍SDラットに対する肺転移抑制効果を、S. minnesota LPS固定化ビーズで刺激された活性化脾細胞とLAK細胞で比較すると、活性化脾細胞はLAK細胞に比べて有意に肺転移を抑制し、高率に腫瘍の完全治癒を得ることができた。担癌ラットに対するdirect hemoperfusion (DHP)では、わずか一回だけの施行で有意な腫瘍増殖抑制効果が認められた。以上より、LPS固定化ビーズを用いたDHPは、LAK療法より強力な体外免疫賦活療法となる可能性が示された。