抄録
従来のセルロース〔OC(AM-SD)膜〕, セルロース膜表面にポリエチレングリコール(PEG)鎖をグラフトした新しいセルロース〔PC(AM-PC)膜〕及びセルロース・ジ・アセテート〔CDA(FB)膜〕ポリメチルメタクリレート〔PMMA(B2)膜〕の4種類の膜を用いて, 透析終了後の膜吸着蛋白量, 吸着LDH量を測定し, さらに膜付着物の電顕的観察を行い膜素材による差異を比較検討した。膜吸着蛋白については, CDA (FB) 膜及びPC (AM-PC) 膜が各々4.95±1.27μg/(cm2, 6.50±2.61μg/cm2と4種の膜の中で最も低く, PMMA (B2) 膜は10.39±1.67μg/m2で最も大きかった。吸着LDH量はPC(AM-PC)膜が3.33±3.05×10-4U/cm2で最も低く, 逆に最も大きいものは, PMMA (B2) 膜で49.36±17.53×10-4U/cm2であった。SDS-PAGEによる吸着蛋白の分析では, 4種の膜素材によって, 泳動パターンが異なり, 吸着蛋白の種類が異なることが示唆された。特に, PC(AM[PC)膜では高分子領域のバンドが少なく, アルブミン領域のバンドがCDA(FB)膜, PMMA(B2)膜に比べて多く認められた。電顕による観察では, 4種の膜の中でPC(AM-PC)膜への膜付着物が最も少ない傾向が観察された。PC(AM-PC)膜は, 他の各種血液透析膜と比べ, 血漿蛋白等の膜付着物が少ない膜である。