人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
電磁駆動式振動流ポンプの膜型人工肺への影響
―特に駆動周波数とガス交換能について―
永沼 滋仁田 新一片平 美明山家 智之薗部 太郎秋保 洋柿沼 義人井筒 憲司小林 信一芳賀 洋一田中 元直橋本 弘之葛西 毅三浦 誠佐藤 尚毛利 平檜山 浩国若井 秀治
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 22 巻 3 号 p. 902-907

詳細
抄録
われわれは振動流を用いた体外循環が人工肺のガス交換能(酸素加性能)を向上させることを前回の本学会で報告した。本研究では振動流の周波数を10、20、30、40、50Hzと変化させ、周波数の違いによるガス交換能と血行動態について、成山羊を用いた急性動物実験により、比較検討した。体外循環は右房から落差脱血を行い、振動流ポンプ(荏原製VFP type 1)で外部灌流型膜型人工肺を通し下行大動脈送血を行なった。平均灌流量は60ml/min/kgに固定した。実験の結果、動脈血酸素分圧は周波数に依存して高くなり、血漿中に溶存する酸素量が増加する。しかし高周波数駆動では流量・圧振幅が人工肺のコンプライアンスで減弱されるため、人工肺内での血液の撹絆効果が低下し、総酸素移動量は20Hzにピークを持ち、それを越える高周波数駆動の酸素移動量は下がる傾向にあった。従って本システムにおけるVFP type 1の駆動周波数は20Hzが適していると考えられた。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top