抄録
高齢社会における看護・福祉用省力化機器として、形状記憶合金応用アクチュエータ、それを応用したアームおよびハンド、それの動的な機能を考慮可能な設計支援システム、VR(仮想現実感技術、力覚フィードバックシステムを含む)などを組み合わせ、使うヒト(医療・福祉関係者)と使われるヒト(患者・障害者)双方に優しい仮想現実感を伴う人工腕(医用VRシステム)の実現を目指し、形状記憶合金人工筋肉を用いたスレーブアームの特性評価とマスターアームの力覚フィードバックシステムの試作、評価を行なった。実験の結果、スレーブアームの動作については1/6Hz程度とやや不満足であるが改良の余地もあり、今後の課題とされた。マスターアームにおける接触感、重量感の呈示は十分可能であることが判明し、その有用性が明らかとなった。したがって、これらの要素技術を組み合わせれば医用VRシステムが実現可能であると考えられた。