抄録
現在,ダイヤモンドペレット(DP)を用いた固定砥粒研磨加工は光学ガラスなどの精密研磨に用いられており,従来の遊離砥粒研磨加工と比較して高い加工能率が得られるという観点から注目されている.しかしながら,4way方式によるDP研磨のように,DPと工作物相互間の相対研磨速度が低速となる条件下におけるDPの研磨特性に関しては未だ不明な点が多い.したがって,本研究ではDPによる固定砥粒研磨加工特性に及ぼす諸要因を実験的に明らかにすることを目的としている.本報告では,相対研磨速度,DPの間隔などを実験パラメータとして,研磨量やDPの摩耗量の挙動について検討し得られた結果を述べる.その結果,DPによる固定砥粒研磨加工は,おおよそDPの断面形状に基づく形状転写加工であるが,DPの両端部分においてはDPの摩耗が研磨特性に大きく関係することを明らかにした.