抄録
現在,マイクロリアクタ等の製作に不可欠な基板表面への微細加工には主にウェットエッチングが利用されているが,化学的プロセス故に作業の安全性や廃液処理の必要性ならびに環境への影響が問題視されており,これに代わるいくつかのマイクロ加工技術の実施が試みられている.そこで本研究では,水の吸引によって負圧の環境下で発生するキャビテーション流を利用して水中の微粉砥粒を工作物表面に干渉させる吸引キャビテーション援用砥粒加工によって,ガラス等の基板表面に微細なパターニングを施すことを提案し,その加工効果ならびに特性を実験的に検討している.マスクを用いた加工によって,ガラス等の基板表面にミリ/サブミリ幅の微細溝をナノメートルオーダの表面粗さで加工できることを示している.さらに,マスクの組合せによってマイクロ二段溝やマイクロ二段ディンプルなどの特殊形状を基板表面に形成できることを示している.