抄録
本研究ではTiAlN膜の断面組織をEBSPにより解析し,基板バイアス電圧が膜の微細組織に与える影響に関して切削性能の観点から検討を行った.とくに,TiAlN成膜中の基板バイアス電圧を-50Vから-150Vに勾配変化させた場合,膜の成長中に柱状組織の微細化が起こり,その変化点は結晶配向性が(200)面から(111)面に変化するバイアス電圧-100V付近であることがわかった.このようなバイアス勾配変化させたTiAlNコーティング工具は膜の密着性を維持しつつ,膜表面層が200nm程度に微細組織化することで膜の靭性が向上できるので,フライス加工時の欠損率が低減でき工具寿命が2倍以上となることがわかったので,以下に報告する.