溶液系におけるジエン系ポリマーの光分解におよぼすニトロ化合物の影響について検討を行った.増感剤には1-ニトロナフタレンと1,5-ジニトロナフタレンを,また比較としてニトロ基を持たないナフタレンを用い水銀ランプによって紫外線照射を行った.反応は,ニトロ増感剤を添加することにより容易に進行し,IRは短時間で分子量3,700程度の劣化生成物となり種々の有機溶媒に可溶となった.また機器分析による反応生成物の構造解析から,ヒドロキシル基やカルボニル基の生成を新たに確認した.このことから,分解は自動酸化反応によって進行していると考えられる.