抄録
CMG(Chemo-mechanical grinding)にみられるように,化学作用を伴う砥粒によるシリコンウエハの研削では,加工変質層を生じない高精度・高品質加工が可能とされているものの,その加工メカニズムは未解明である.本研究では,CMG加工のメカニズム解明への貢献を目指し,化学作用を有する砥粒とシリコンウエハとの間の相互作用を模擬するため,原子間ポテンシャルパラメータを制御する方法により,分子動力学シミュレーションを試みた.そこでは,ダイヤモンド研削と提案モデルによるCMG,さらにはCMPを模擬した加工を試み,現象比較を行なった.その結果,セリア砥石を用いた実研削でみられる現象と類似し,CMG加工ではダイヤモンド研削に比べ,加工変質層や加工抵抗,砥粒摩耗が低減することが確認され,本提案手法の有効性が明らかになった.