2010 年 54 巻 10 号 p. 619-621
円管内面の小径ドリル加工穴のバリ取りは手作業に依存し,大きな問題となっている.従来のバリ取り工具はパイプ外面には容易に適用できるが,細長いパイプ内面に生じたバリ取りには非常に適用しにくい.新たな内面磁気バリ取り法の研究開発が切望されている.本研究は,小型磁石工具を利用して,円管内面に生じた小径ドリル加工穴のバリのみを除去する新しい内面磁気バリ取り法を提案している.新たな内面磁気バリ取り実験装置を製作し,1mm径のドリル加工穴のバリに対してバリ取り実験を行った.実験結果により,穴周囲のバリ高さは104μmから2.5μmまで減少できることを確認でき,提案した新しい内面磁気バリ取り法の有用性を明らかにすることができた.