砥粒加工学会誌
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論文
単結晶ダイヤモンド工具によるコバルトレス超硬合金の切削加工
—第2報 加工雰囲気が切削点温度と工具摩耗に及ぼす影響—
由井 明紀松岡 浩司奥山 繁樹北嶋 孝之岡畑 豪
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2010 年 54 巻 10 号 p. 613-618

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抄録

超硬合金に高精細な切削加工を施すことが本研究の目的である.単結晶ダイヤモンド工具を用い,コバルトレス超硬合金に対してAir,N2,Arの各雰囲気ガス中でプレーナ加工行い,切削点温度と工具寿命について評価した.切削点から放射されてダイヤモンド工具を透過した赤外線を,光ファイバを経由してInAs素子とInSb素子に集光させることにより切削点温度を測定した結果,その値は,Air<N2<Arの雰囲気順に高くなり,切削速度と切込みにほぼ比例する.本実験における切削点温度は250℃以下であり,ダイヤモンド工具や超硬合金の物理的特性を変化させるには至らない.ダイヤモンド工具の摩耗量はAir<N2<Arの雰囲気順に大きくなり,これは摩擦係数や切削点温度の順に等しい.ダイヤモンド工具の摩耗は,物理的(アブレシブ)摩耗が支配的である.また,Air中では酸素吸着膜の存在によって摩耗は抑制されるが,酸素の存在が微小クラックを進展させダイヤモンド工具にチッピングを生じさせる.

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© 2010 社団法人 砥粒加工学会
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