砥粒加工学会誌
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電解還元水を用いたTi合金のELID研削特性
金澤 雄史伊藤 伸英根本 昭彦大森 整加藤 照子水谷 正義長谷川 勇治河野 直
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2011 年 55 巻 9 号 p. 552-556

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抄録
近年,加工精度の向上とともに,環境に対しても優しい加工技術が求められている.このような社会的要求に応えることを目的として,我々は環境に優しいELID研削の実用化を目指し検討を進めている.本報告では,研削液に電解還元水を用いる新たなELID研削技術の提案を行い,本加工技術の基礎的な特性調査を行った.実験は,NaClを電解質塩溶液とする電解還元水と導電性ラバーボンド砥石によるELID研削システムでTi合金の加工を行い,特性調査を行った.実験の結果,電解還元水を用いたELID研削で安定した鏡面研削加工を実現した.さらに被加工物表面の分析を行った結果,被加工物表面に酸素および電解還元水に含まれる成分がリッチな層が形成されること,また,摩擦摩耗試験の結果,加工表面に比摩耗量が小さくなる特性が付与されることがわかった.実験により本加工手法は,ELID研削システムとして有効に機能することを確認した.
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© 2011 社団法人 砥粒加工学会
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