抄録
超精密研磨工程において,研磨パッド上のスラリーフローが研磨特性に及ぼす影響は大きいことが知られている.本論文では,様々な溝パターンを有する各種研磨パッドを対象として,それぞれによるスラリーフローを観察し,各種溝パターンがスラリーフローに及ぼす影響を検討した.ここでは,高速度カメラによって得られた観察イメージから,デジタル画像処理を施すことによってスラリーフローを定量的に変換し,比較検討を行った.その結果,著者らが提案・試作したインボリュート曲線に基づくスラリー排出溝パターン,およびスラリー流入溝パターンによるスラリーフローは,従来から広く用いられている汎用の溝パターンによるスラリーフローと比較して優位性のある特徴的な傾向を示すことを明らかにした.