2013 年 57 巻 7 号 p. 453-458
転がり軸受面の性能向上を目的として開発した,セリア (CeO2) 砥粒とcBN砥粒を混合しビトリファイボンドで結合したメカノケミカル超砥粒砥石の設計システムの開発に着手した.まず,その初期段階として,砥石の作業面形状や強度を左右する砥石の構造モデルの構築を行い,本モデルの有効性を確認した.本論文では,次の段階として,加工特性に大きく影響する作業面トポグラフィモデルの構築を行った.モデル作業面におけるセリアおよびcBN砥粒の分布状態は,先に開発した構造モデルのそれと一致していなければならない.そこで,構造モデルにおける砥粒分布のフラクタル次元に基づき,同じ次元を有するトポグラフィの描画方法を提案した本モデルは,実砥石と比較した結果よく一致し,モデルの妥当性を確認した.