抄録
本研究では,超硬合金金型の効率的で高精度な加工法に関して検討し,その一つの方法として,ダイヤモンド焼結体エンドミルによる切削加工法を検討した.具体的には,はじめにダイヤモンド焼結体を切れ刃とするエンドミルの製作法,および工具形状について検討を行い,超硬合金金型を精密切削することが可能な同エンドミルの開発を行った.次に製作したエンドミルを用いて,超硬合金の基礎的切削性能の評価を行った.その結果,溝加工実験においては,溝底面の表面粗さが0.5nmRaと非常に平滑な切削面を得ることができ,高い切削性能を有していることがわかった.また,金型形状加工実験を行った結果,十分な加工精度,能率および工具耐久性を有していることがわかり,製作したエンドミルは,超硬合金金型切削用工具として十分な性能を有していることがわかった.