砥粒加工学会誌
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CFRTPの極低温切削加工特性に関する研究
液化炭酸ガスを用いたエンドミル側面切削
日開野 輔青山 藤詞郎小川 仁
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2015 年 59 巻 5 号 p. 260-265

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抄録
炭素繊維複合材料は比強度の高い材料であり,近年,マトリクス樹脂に熱可塑性樹脂を用いたCFRTPが短い成形時間とリサイクルの観点から注目を集めている.その反面,CFRTPは切削加工の難しい難削材として知られ,短い工具寿命やバリの発生が問題となっている.難削性を改善する方法として切削油剤の使用が一般的であるが,マトリクス樹脂の劣化懸念があるため,その使用は制限される.本研究では,液化炭酸ガスを用いた冷却システムを考案し,これをCFRTPのエンドミル側面切削に適用し,極低温冷却条件でのバリ抑制効果および,加工面性状や工具摩耗の改善効果を検討した.冷却による切削抵抗の増加の他,マトリクス樹脂の弾性率の上昇が確認された.工具寿命は乾式加工と同等であったが,加工面性状改善効果とバリ抑制効果が認められた.
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© 2015 社団法人 砥粒加工学会
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