2019 年 63 巻 4 号 p. 185-190
本研究では,ガラス材料への高精度な穴加工の実現を目的として超音波援用加工に着目し,本手法特有の加工現象を解明するため,ドリル食い付き時の工具挙動解析と加工穴壁面の表面粗さについての考察を行った.その結果,高速度カメラを用いた観察と切削抵抗挙動の解析から,切削抵抗を3次元的に示した図において,慣用加工時の切削抵抗プロットがらせん形状を描く要因は,ドリル先端の求心作用と被削材の脆性破壊の繰返し作用によるものであることがわかった.また,超音波援用時に発生する加工開始直後における工具軸方向の切削抵抗の急上昇は,工具先端の槌打加工に起因することがわかった.さらに,本手法により生成される加工面の表面粗さについて,計算機シミュレーションモデルから理論表面粗さを算出する手法について提案を行い,実際の加工面との比較評価を行ったところ,チッピングの少ない加工面では推定値と実測値の傾向は一致した.