2022 年 66 巻 8 号 p. 464-469
ホブ切りは歯車製造において最も利用頻度の高い加工方法であり,切削機構や工具摩耗に関する研究がこれまでなされてきた.しかし,工具形状および切削機構が複雑であるため,工具摩耗試験方法は舞いツ-ルを用いた一軸方向による試験方法が一般的である.しかし,この方法は実際のホブ切りとは異なる点もあるため,ホブと同様の切れ刃形状をもつ舞いツ-ルを用いて,ホブ切りと同様の切削機構による新たな工具摩耗試験方法を開発した.本試験方法を用いて切削抵抗および切削温度を詳細に調べた.工具にはノンコ-トおよびTiNコ-テッドハイスを用い,コ-ティングの有無によって切削抵抗および切削温度へ影響があることを明らかにした.また,切りくずの観察を行い,TiNコ-テッド工具を用いた場合は切りくずが工具に付着しにくいことを確認した.さらに切りくずの色と切削温度の関連についても調べた.