砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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66 巻, 8 号
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  • 第1報:凸型切れ刃の切削方向と繊維配向が切削特性に及ぼす影響
    佐々 遼介, 岡田 将人, 植松 英之, 金田 直人
    2022 年 66 巻 8 号 p. 457-463
    発行日: 2022/08/01
    公開日: 2023/02/01
    ジャーナル フリー

    ドリルコ-ナ部に凸型切れ刃(以後,凸刃)を有するロ-ソク型ドリル(以後,凸刃ドリル)および,その凸刃を除去したドリル(以後,従来ドリル)を炭素繊維の配向が一方向の熱可塑性CFRPの穴加工に適用し,切削抵抗,加工穴品質,切削温度の観点から,連続的に変化する凸刃の切削方向と繊維配向とのなす角が切削特性に及ぼす影響を検討した.凸刃ドリルのスラスト力は,いずれのドリル回転角においても従来ドリルに比べて高くなる傾向が認められた.凸刃先端は軸方向に対して薄肉の鋭利形状を呈しており,主切れ刃コ-ナ部より先行して切削に関与するため,同部により主切れ刃とは独立した切りくずが排出された.凸刃ドリルによって創成された加工穴出入口および内面は,従来ドリルと比較してアンカットファイバ,バリの少ない良好な加工穴品質であった.切削温度は,両ドリルとも加工穴入口から出口にかけて上昇する傾向が示唆される結果を得た.また,ドリルによって加工穴周辺に生じる温度分布履歴に違いが認められた.被削材貫通時において,凸刃先端が加工穴の出口輪郭部の材料を先行して除去するため,加工穴出口の一部において温度上昇を抑制する効果が示唆された.

  • 田代 徹也, 藤原 順介, 竹村 文平, 牧田 倭人
    2022 年 66 巻 8 号 p. 464-469
    発行日: 2022/08/01
    公開日: 2023/02/01
    ジャーナル フリー

    ホブ切りは歯車製造において最も利用頻度の高い加工方法であり,切削機構や工具摩耗に関する研究がこれまでなされてきた.しかし,工具形状および切削機構が複雑であるため,工具摩耗試験方法は舞いツ-ルを用いた一軸方向による試験方法が一般的である.しかし,この方法は実際のホブ切りとは異なる点もあるため,ホブと同様の切れ刃形状をもつ舞いツ-ルを用いて,ホブ切りと同様の切削機構による新たな工具摩耗試験方法を開発した.本試験方法を用いて切削抵抗および切削温度を詳細に調べた.工具にはノンコ-トおよびTiNコ-テッドハイスを用い,コ-ティングの有無によって切削抵抗および切削温度へ影響があることを明らかにした.また,切りくずの観察を行い,TiNコ-テッド工具を用いた場合は切りくずが工具に付着しにくいことを確認した.さらに切りくずの色と切削温度の関連についても調べた.

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