2023 年 67 巻 10 号 p. 551-558
本研究では,工作機械用の多品種少量生産となる板金部品に対して,ファイバ-レ-ザ溶接ロボットを導入した新たな生産システムの構築を目指している.多品種少量でも競争力ある板金部品には,溶接工程の熟練者の暗黙知に頼らない自動化を導入した生産技術が不可欠である.一方でロボット溶接には複数の子部品を仮組固定するための治具が不可欠であるが,部品毎に必要となるためその種類が増大する問題が生じる.本報では,治具レスでの自動化を遂行するため,L字の90°突合せ角部のV字溝へのレ-ザ照射のレイアウトおよび仮組固定にホゾ組を導入することを検討した.とくに熱伝導型レ-ザ溶接に着目したホゾ部形状について検討するため,溶接時の現象をカメラでモニタして考察し,ハブラニアンプロットを用いて最適な条件を探索した.またレ-ザ溶接時の入熱量についても検討し,溶接品質と能率について考察した.