2025 年 10 巻 2 号 p. 131-138
本研究は,肩関節後方筋群への振動フォームローリング介入および静的ストレッチング(スリーパーストレッチ)介入が,肩関節内旋可動域,指椎間距離,肩関節外旋筋力に及ぼす影響を経時的に比較検討した.本研究は,14名の健康な男子大学生を対象として,2条件のランダム化クロスオーバーデザインで実施した.その結果,90秒間のスリーパーストレッチおよび振動フォームローリング介入によって,肩関節内旋可動域と指椎間距離は介入前と比較して介入直後,介入15分後で有意に改善した(P<0.05).一方,肩関節外旋筋力は,介入直後の時点において,振動フォームローリング介入と比較してスリーパーストレッチ介入条件において有意に低い値を示した(P<0.05).90秒間の振動フォームローリング介入によって,肩関節外旋筋力の低下を引き起こさずに肩関節内旋可動域,指椎間距離が改善することが示唆された.