日本アスレティックトレーニング学会誌
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傾斜アプリケーションを搭載したスマートフォンの測定位置が関節可動域測定の精度に及ぼす影響について
保田 洋平木村 明日佳箱﨑 太誠清水 卓也
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2025 年 10 巻 2 号 p. 157-165

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抄録

スポーツ分野ではスマートフォンを用いた関節可動域測定が増えているが,置く位置や向きの影響は未検証である.そこで置く位置や向きによって測定される角度の正確性を調査した.2枚の厚紙に引かれた合計30個の角度を,分度器と傾斜計のアプリケーション「simple angle meter」で測定した.スマートフォンと分度器を使い2枚の厚紙を水平な机の上と床と垂直な壁に置き,合計6つの向きで角度を測定した.HVP(Horizontal-Vertical position)では常に不安定で測定が不可能であり,HSP(Horizontal-Supine position)では固定誤差において有意な誤差が(p=0.01),HLP(Horizontal-Lateral recumbent position)では比例誤差において有意な誤差が認められた(p=0.034).HVPの位置で行う測定は信頼性に欠けるが,その他の測定では分度器に近い精度を示した.

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