2025 年 10 巻 2 号 p. 83-89
本研究は,運動連鎖の破綻に対し,体幹の先行収縮後にActive Straight Leg Raise (ASLR)を行う介入による効果を検証することを目的とした.本研究は介入前後で(1)ASLR,(2)Passive Straight Leg Raise (PSLR)の角度を測定した.介入群は体幹の先行収縮後にASLRを行う介入を実施し,対照群は5分間安静とした.群分けは無作為化し,測定者には盲検化した.PSLRとASLRの差が10°以上の場合を運動連鎖の破綻ありと判断した.介入前後の比較は,二元配置反復測定分散分析で検討した.運動連鎖の破綻ありと判断された対象者は74名中32名だった.介入群のASLRは有意に上昇した.体幹への先行収縮の促進を目的とした介入によってASLRの改善が認められ,リコンディショニングやスポーツ外傷・障害予防への応用が期待される.