2021 年 7 巻 1 号 p. 23-31
ネイマン-ピアソン流の帰無仮説検定はアスレティックトレーニング研究領域においても主流な統計的データ解析法である.有意水準によって有意差あり/なしの線引きする帰無仮説検定は非常に便利だが,有意差の意味を正しく理解している研究者は多くない.有意差を判定するp値はサンプルサイズに依存するため,効果(差)の大きさは評価しない.我々が真に関心あることは,“どのくらい効果があるのか?”,“先行研究より優れているのか”である.これを明らかにするために帰無仮説検定に加えて,効果量と信頼区間の提示と解釈が必要となる.