2021 年 7 巻 1 号 p. 33-39
手掌へのアイシングによる肩機能への効果を検証した.男子学生48名を3群(対照群,肩をアイシング:肩群,手掌をアイシング:手群)に分類し,肩外旋運動をオールアウトまで行った.その後15分間,対照群は安静,肩群は肩を,手群は手掌をアイシングした.運動前,運動後の安静またはアイシング後(運動20分後),翌日に肩外旋筋力と内旋可動域を測定した.外旋筋力について,運動後の低下量は手群が対照群,肩群より少なかった.また翌日にかけて手群は対照群より低下せず,前日とほぼ同じ値を示した.内旋可動域について,運動後の低下量は肩群が手群より多く,また翌日にかけて肩群は対照群より低下量が多かった.手掌へのアイシングは肩機能の維持・回復に有効であると示唆された.