抄録
陸稲戦捷由来のイネいもち病圃場抵抗性のDNAマーカー選抜法を確立するため, 陸稲戦捷と水稲農林29号を交配して得られたF2集団を用い, 葉いもち圃場抵抗性に関与する量的遺伝子座(QTL)の連鎖分析を行った. なお, 葉いもち圃場抵抗性の評価には, F2各個体由来のF3系統群を用いた. F3系統群の葉いもち圃場抵抗性は極強から極弱までの連続変異が観察され, 戦捷の抵抗性には複数の遺伝子が関与していることが示唆された. QTL解析の結果, 第4染色体の制限酵素断片長多型(RFLP)マーカーG271, 第4染色体のG177, 第11染色体のC1172および第12染色体のS826近傍に葉いもち圃場抵抗性に関与するQTLが検出された. F3系統群における葉いもち圃場抵抗性の全表現型分散におけるそれぞれのQTLの寄与率は, 45%(G271), 13%(G177), 8%(C1172)および8%(S826)であった. いずれのQTLにおいても, 戦捷の対立遺伝子が抵抗性を高める作用を持っていた.