育種学雑誌
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コンニャクの還元分裂にみられる染色体の部分的不対合
渡部 忠広
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1963 年 13 巻 2 号 p. 112-116

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抄録

コンニャクの主要品種である在来種,備中種,支那種およびF1(支那×在来)について,植物体の外形,還元分裂,花粉稔性,花粉粒径等について観察した。1.植物体の形態は葉柄にある斑紋の形状,大きさ,数,色等,その他の語形質に多少のちがいがみられるが,全体として各品種は互によく似ている。2.還元分裂の移動期およびMIにおける花粉母細胞で支那種では約15%,在来種では約26%,備中種では約40%の細胞に2~12Iがみられた。3.備中種の開花期にみられる葯の裂開しないもの,花粉の圧出不良だとの現象もこの還元分裂異常にもとづく不稔花粉の増加に基因する思われる。4.支那種,在来種およびそれらのF1の外形と,その還元分裂における対合から推察して,両品種は同一ゲノム型を持つものと考えられる。

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