育種学雑誌
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アブラナ属の種間交雑に関する研究 : III. Braassica nigra(n=8群)とB.campestris(n=10群) 及びB.oleracea(n=9群)との交雑親和性
松澤 康男
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1984 年 34 巻 1 号 p. 69-78

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抄録

アブラナ属のモノゲノム種間の交雑成功率を高め,より多くの雑種F1植物を得るために,B.campestris 及び B.oleraceaの多くの栽培品種と B.nigra との交雑親和性を調査した。 B.campestris×B.nigraでは花粉発芽指数が1.9から3.5までみられ,25組合わせの平均は2.7で比較的良好な花粉発芽及び花粉管伸長がみられた。胚数は,莢当り0.1から11.O個までみられ,平均で3.7個あり,0.5mm程度の大きさのものが多く,雑種種子が得られる組合わせもみられた。B.nigra×B.campestrisでは,花粉発芽指数が6組合わせの平均で2.7であり比較的良好であったが,胚数は突当り約0.6個しか得られず,また,0,2mm程度の小型のものであった。従って,前者では雑種胚の発育過程に軽度の障害がみられるが,後着では雑種胚の形成並びに発育期に障害が起るものと考えられる。

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