2026 年 7 巻 1 号 p. 58-66
近年、医学分野では大規模データの公開が進み、多くの研究者がデータ解析手法の開発を実施できる環境が整ってきている。多様なモダリティのデータを理解し、それらの関連を明らかにする解析手法は、基礎から臨床まで幅広い医学的知見の礎として需要も高い。特に腫瘍領域において、遺伝子発現データと病理組織画像データは疾患の特徴を反映する代表的な情報源であり、多くの医療機関で取得されるデータである。本稿では、これら二つのデータ解析に関わるいくつかの解析基盤を、発想や基本的枠組みに着目して概説する。手法がどのような考え方から生まれてきたかを知ることで、新たな解析手法を開発するための一助となることを期待する。また、腫瘍サブタイプ分類や予後予測など、手法が活用される例にも触れ、腫瘍領域における解析手法開発の可能性を展望する。