2019 年 10 巻 1 号 p. 27-32
非カフ型カテーテル(NCC)は緊急に血液浄化療法を施行する際のバスキュラーアクセスとして頻用されている。この際,われわれはNCCではなく,カフ型カテーテル(TCC)をいわゆる緊急時ブラッドアクセス留置用カテーテル(緊急時BA)として積極的に使用し,救命後のADL低下予防,入院期間の短縮,カテーテル関連合併症の抑制に貢献できる有用性について報告してきた。今回,緊急時BAとしてTCC使用後の合併症としてカテーテル挿入血管における血栓形成や静脈狭窄の発生について検討した。対象となったのは緊急に血液浄化療法を施行し,治療期間内に緊急時BAとしてTCCを使用した38例。観察されたTCC挿入血管は右内頸静脈37例,左内頸静脈1例であった。挿入血管に血管内病変を認めたのは38例中2例(5%)のみであった。緊急時BAとしてTCC使用後における血管内病変の発生は少なく,血液浄化療法による救命後の合併症予防という観点からもTCCは有用であると考えられた。