2019 年 10 巻 2 号 p. 89-96
集中治療領域で使用している血液浄化装置は,これまでたくさんの変遷を重ねながら安全面や操作面など臨床で求められるものへと発展を遂げてきた。しかし,これらに関連した医療事故は一向になくならない。このような医療事故を未然に防ぐためには,医療機関と製造販売業者が連携する環境づくりが必要なのはもちろん,装置本来のパフォーマンスを発揮できるように日ごろから整備する体制を整えておくことが重要である。本稿では,集中治療領域における血液浄化装置の開発の歴史において,その操作者と装置間に存在するマンマシンインターフェースに焦点を絞り,操作性と安全性について人間工学的な観点から見つめなおし,将来の血液浄化装置に求められる機能と展望について未来志向な内容も含めて提示する。