日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
間質性肺炎患者におけるPolymyxin B immobilized fiberカラム前後の好中球数の変化:症例報告
山﨑 慎太郎鳩本 広樹宮川 幸子星野 耕大入江 悠平仲村 佳彦川野 恭雅喜多村 泰輔石倉 宏恭
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キーワード: PMX-DHP, 間質性肺炎, 好中球
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2021 年 12 巻 1 号 p. 69-72

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抄録

今回われわれは,間質性肺炎急性増悪に対してPolymyxin B immobilized fiber column-direct hemoperfusion(PMX-DHP)を実施した症例において,カラムへの好中球吸着と肺酸素化能の改善効果との関連について検討したので報告する。症例は,81歳の男性。間質性肺炎急性増悪により当院救命救急センターへ搬送され,肺酸素化能改善目的にPMX-DHPを1回目22時間,2回目28時間施行した。1回目PMX-DHP施行後にP/F ratioは96.3から165まで上昇したが,2回目施行後にはP/F ratio 98.6へと低下した。その際にカラム前後での好中球数の変化率を算出したところ,1回目は1時間後:−32.5%,2時間後:−1.1%,6時間後:1.8%であり,2回目は1時間後:−21.4%,2時間後:−13.9%,6時間後:0%であった。間質性肺炎急性増悪患者に対してPMX-DHPを施行し肺酸素化能は一時的に改善したが,好中球吸着能と肺酸素化能の改善との関連は認められなかった。

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© 2021, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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