日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
技術・工夫
新型コロナウイルス感染症診療
集中治療室における臨床工学技士の役割
相嶋 一登
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2022 年 13 巻 1 号 p. 73-79

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抄録

わが国では2020年2月のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号乗船者への対応から新型コロナウイルス感染症との本格的な戦いが始まった。これまで経験した新型インフルエンザ対応の経験を踏まえ,集中治療における人工呼吸療法,血液浄化療法などへの対応について,患者に対する直接対応の他に医療機器の選択など,試行錯誤を繰り返しながら行ってきた。臨床工学技士の重要な役割は,感染対策を念頭に置いた医療機器の選択,調達および他の医療従事者への使用法の説明,治療法や医療機器管理に関する情報収集と院内対策の立案,そして治療に関する直接的な対応である。人工呼吸器の構造上の違いを踏まえた機種の選択では,臨床工学技士のこれまでの経験,専門性が大きく活かされた。さらに遠隔モニタリングやIP無線を用いたコミュニケーションツールの導入といったさまざまなテクノロジーを医療現場に導入することも臨床工学技士の役割として重要であった。

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© 2022, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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