2024 年 14 巻 2 号 p. 112-116
急性血液浄化療法は重症患者管理の一環として不可欠な治療であるが,施行中のエラーは重大な医療事故を招く可能性がある。とくにICUという高度かつ複雑な診療が行われる環境下では,血液浄化療法を正確に実践するための取組みと,多職種で連携・補完する安全管理が必要となる。当院は血液浄化療法を施行する際に「急性血液浄化療法の7R」の確認を原則に,手順書やチェックリストを用いた準備・操作を行っている。そしてこれらをマニュアル化することで,個々の習熟度に依存しない安全で正確な業務を遂行できる。当院はICUに臨床工学技士(clinical engineer:CE)が専従し,集中治療における知識・技術(テクニカルスキル)の研鑽と円滑なコミュニケーション(ノンテクニカルスキル)を図ることで多職種による効果的なチーム医療を形成している。さらに他職種への教育を継続的に行いチームで向上することで,より質の高い安全な血液浄化療法を提供できると考える。