70歳,女性。間質性肺炎を指摘されるも,呼吸器症状に乏しく,経過観察とされていた。入院5日前より,呼吸苦が出現,増悪してきたため,前医受診し,間質性肺炎急性増悪と診断され,当院搬送となる。Ⅱ型呼吸不全を呈しており,びまん性肺胞障害が考えられ,人工呼吸器管理のもと,ステロイドパルス療法とPMX-DHPの併用を行った。PMX-DHPは8時間施行した。PMX-DHP施行前のP/F ratio 142であったが,PMX-DHP施行後のP/F ratio 199と酸素化改善がみられた。その後も酸素化は改善し,第6病日には高流量経鼻酸素療法となり,第8病日に呼吸器内科転科となった。
集中治療室での急性血液浄化療法を必要とする症例は入院期間が長期化することが多い。今回,集中治療室で急性血液浄化療法を施行した症例のうち,死亡例を除き入院期間が28日以内であった38例について,背景や治療経過について検討した。平均年齢64.4±16.4歳,平均入院期間16.6±7.0日,集中治療室の平均在室期間8.3±5.4日だった。24症例が退院時に血液浄化療法を離脱していた。20症例は血液浄化センターでの治療に移行していた。当院は移動困難な状態を除き可及的早期に血液浄化センターでの血液浄化療法を施行しており,集中治療室での急性血液浄化療法が不要となり集中治療室退室を早めることが可能である。集中治療室から血液浄化センターへの早期移行がpost-intensive care syndrome(PICS)の予防やADL低下前の退院へ繋がる可能性がある。