日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
技術・工夫
返血側エアートラップチャンバーへの流入方式の違いとメッシュの有無は Vチャンバー内での滞留発生に影響を与えるか
清水 弘太栗山 直英森山 和広川合 確竹内 大智中村 智之原 嘉孝幸村 英文西田 修
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2024 年 14 巻 2 号 p. 121-125

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抄録

【はじめに】Vチャンバーの流入方式の違いやメッシュの有無などの構造の違いは,滞留発生に影響を与える可能性がある。今回,流入方式の違いやメッシュの有無が滞留発生に影響するか評価した。【方法】滞留評価を目的に4種類のVチャンバー(水平流入と垂直流入,メッシュありとなし)を作成し実験を行った。模擬血液用原液1mLをVチャンバーに注入し,色素消失時間を10回ずつ測定(平均値±SDを比較)し,色素の動きを目視評価した。【結果】色素消失時間は水平流入・メッシュあり群:33秒,水平流入・メッシュなし群:27秒,垂直流入・メッシュあり群:120秒,垂直流入・メッシュなし群:120秒であった。水平流入では流体の目視評価において,流体は旋回流として均一に流れているのに対し,垂直流入では,流体は底部のみで拍動性に不均一に流れ,液面上層部において滞留発生を認めた。【まとめ】Vチャンバーへの流入方式の違いが滞留発生に影響していた。

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© 2024, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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