日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
総説
急性血液浄化療法から維持透析移行例の検討
矢野 卓郎大矢 昌樹荒木 信一
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2024 年 14 巻 2 号 p. 61-66

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抄録

急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の予後は不良であり高い死亡率と関連しているが,とくに腎代替療法(renal replacement therapy:RRT)を必要とするAKI-Dの院内死亡率は約50%と極めて不良であることが知られている。また,生存例においても長期的な生命予後・腎予後が不良であることが報告され,腎機能が回復せず退院時に透析療法を必要とする症例はAKI-D患者の約10%程度,そのまま維持透析へと移行する症例は5%程度であるといわれている。当院における過去10年のAKI-D患者374例について解析を行ったところ過去の報告と同様4.8%の症例が維持透析へと移行していた。また,生存例のなかでも透析を離脱できた症例に比し,維持透析へと移行した症例では生命予後が不良であった。

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© 2024, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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