敗血症患者に対する顆粒球吸着カラムの安全性および有効性を評価した多施設で施行された治験の一部データを著者らの施設の症例に限定して解析した。【方法】敗血症と診断され,APACHE Ⅱスコアが17〜34点の患者を対象とした。顆粒球吸着カラム(治験名称G-1)による直接灌流法(G-1-DHP)は,ICU入室3日以内に計5本を施行した。主要評価項目は,ICU入室時から7日間のSOFAスコアの変化とし,安全性の評価項目は有害事象および28日後の死亡率とした。【結果】登録患者は20例,年齢[中央値(四分位範囲)]は,72.5(68.3〜75.8)歳,APACHEⅡスコア[中央値(四分位範囲)]は23.5(20.0〜28.8)であった。G-1-DHPにより,顆粒球の吸着除去が認められた。SOFAスコアは中央値8点から7日後には3点へと有意に低下した(p<0.01)。G-1-DHPに起因する有害事象は認められず,全例が28日生存した。【結論】G-1-DHPは,敗血症に対し臓器障害の進展抑制に寄与する新たな治療法として期待される。