2025 年 16 巻 1 号 p. 9-17
重症患者の腎代替療法における血圧低下や除水困難に対し,長時間・頻回の透析に加え,高Na透析・低温透析・無酢酸透析・高Ca透析など,複数の透析手法を併用するmultimodal approach(MMA)の有用性が報告されている。MMAを用いると,間欠透析でもcontinuous renal replacement therapy(CRRT)と同等の循環動態や予後が得られ,循環が安定した症例や比較的軽症例においては間欠透析がCRRTよりも予後を改善する可能性が報告されている。MMAを用いた間欠透析が一部の患者群で予後を改善する理由としてはCRRT traumaの影響が考慮される。当院集中治療部では出血や栄養喪失などのCRRT traumaが問題となる患者でMMAを用いた間欠透析の利用を検討している。