2013 年 4 巻 1 号 p. 34-37
持続的腎機能代替療法(continuous renal replacement therapy:CRRT)は,24時間の治療継続を前提に,時間あたりの血液浄化量を設定するが,実際はさまざまな理由で中断される。本研究では,治療中断がどの程度生じているか,またその要因について検討を行った。方法は後ろ向き観察研究とし,診療録より中断時間・要因を抽出した。対象は2010年に当院でCRRT(回路交換1回以上)を施行した72例。CRRT開始から終了までの時間142.5±108.8時間,そのうち中断時間4.72±3.05時間であった(50±41分/日)。治療中断は計264回,中断要因は回路交換(83%)検査(7%)アクセス関連(3%)手術(1%)他(5%)で,中断時間は回路交換21.5±23.4分,それ以外は有意に長く247.3±265.7分であった。本研究では治療中断5%以下であったが,中断を考慮した実際の治療時間の測定は,CRRT条件を設定する上で有用な情報と考える。今後は治療中断時間が治療効果・予後に与える影響を検証する必要があろう。