日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
Extracorporeal ultrafiltration method(ECUM)における漏血センサの警報反応時間についての実験的検討
芝田 正道小川 哲也桧垣 洋平森谷 紘旭樋口 千恵子中野 清冶大塚 邦明
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2013 年 4 巻 1 号 p. 57-62

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抄録

今回,Extracorporeal Ultrafiltration Method(ECUM)を実施中,透析器接続カプララインに血液が漏れる事故を経験した。治療開始後65分経過も漏血警報は鳴らなかった。本件を検証し迅速に漏血がモニタリングできる条件を模索する目的で,人工的にダイアライザの入口,中間,出口部に漏血箇所を作製しヒト血液による実験を行った。結果,漏血した血液は除水に伴う移動以外に重力による沈降速度の影響を受け,漏血箇所や透析器接続カプラ,血液流路方向などの条件により漏血警報反応時間が大幅に遅延した。ECUM実施時,迅速に漏血センサを機能させるには透析器接続カプラが血液透析と同じ対向流接続なら血液流路方向は下→上向き,透析器接続カプラが並行流接続なら血液流路方向は上→下向きとする必要があるが,さらなる安全性を考慮した場合今後は自己診断機能として透析装置に組込み,事前発見が望まれる。

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© 2013, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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